延原時行歌集「命輝く」（第2622回）（ねこ・とり・はな） - 延原時行歌集「命輝く」（「番町出合いの家」鳥飼）

　　　　　　　　　　　　　　
　　延原時行歌集「命輝く」（第2622回）
　　「復活の家出発進行―感謝無限の旅一歩一歩」
今朝も先生のメルマガ「風の便り」で届いた「今日の歌」を収めます。

　　　　12月28日

　　　　　　　　　　打てど叩けどの歌十五首の歌

　一　我やしも妻逝けるとて悲しとや嘆く暇なし笑み増せる汝（な）を
　二　かく独り我詠ひてや大笑す誠笑む汝御友いませば
　三　復活の御友運びて汝いずこ御父御許に永久の命よ
　四　色々に考へてもや我一途切れ目なき笑み妻の幸ほむ
　五　世の人の幸の数々我聞くも勝れる幸や笑み増し妻よ
　六　いのちとは切れ目なき事或る日我深く諭さる我妻笑むや
　　　（備考：復唱）
　七　際に笑み絶して笑むや信子さま切れ目なき笑み「永久」語るこそ
　八　永久笑みに勝れる幸を人誰か我に教えよなあノーちゃんよ
　　　（備考：そう、父さん。嬉しい、嬉しい）
　九　今生のくさぐさの幸示さるも我が心のぞ愉悦揺るがず
　十　我妻や絶後笑み増し不思議やも深き低みの底ぞ飛翔す
　　　（備考：復唱。「深き低み」とは恩師滝沢「インマヌエルの原事実」と言ひし実存の根底、人間原点なり。『純粋神人学序説』274頁、参照。太初のロゴス（『ヨハネ』1・1・第一項）を滝沢「インマヌエルの原事実」と言ふも、このテキストには「共」と言ふ一字あらず。「共」とあるは、『ヨハネ』1・1・第二項に於いてなり：「ロゴスは神と共（pros ton theon）なりき。」然らば、我思ふに、「共」はもともと「ロゴスが神と在る処」の事、内三位一体的神性を指す事態なり。この「共」が実存の根底に内在せるを指して初めて「共」＝「インマヌエル」を言表すること可能なり。従ひて、恩師滝沢の常に言ふ「インマヌエルの原事実」とは、12月26日の「御友降誕の歌」の補遺に書きし如く、むしろ「インマヌエルの原受肉」とでも呼ぶべき事態なり。内三位一体的「共」が実存の根底に受肉せること、これ「インマヌエルの原事実」の真相なり。この実存の根底にある「インマヌエルの原受肉」ありて、この世の平安あるなり。我ら死する時、実存の根底に受肉せる「共」＝「インマヌエル」今や根底の根底として根底を支へて父に向けて飛翔するなり。それ、我が歌の主旨なり。実存の根底そのものには、根底に原受肉せる「共」をはなれては、飛翔力はなきなり。その事を明示する力なき故、ハイデガーの実存哲学および滝沢のインマヌエルの原事実論は、最後の最後のところで、潰へるなり。これひとえに、太初のロゴスの次元（『ヨハネ』1・1・第一項）と、「神と共に在る」ロゴスの次元（同第二項）とを区別して、前者は後者の前者における「内在」すなわち「原受肉」を前提になすこと知らぬという落ち度に由来すると知るべし。ちなみに、我ら死する時、「原受肉」の真相明らかになるなり。すなわち、「実存の根底」「人間の原点」に原受肉せる「共」＝「原初のインマヌエル」今や、「御友」として「御父」へ飛翔なさるなり。この事態、主イエス『ヨハネ』17・5に於いて父に祈りて明らかにせる如く、「原栄（もとさかえ）」を華やがしめよとの欣求の、父による聴聞叶ひたる故なり。要するに、飛翔は、御友の祈りに応へて、原栄（もとさかえ）が華やがしめらるる事態なれば、単なる「原事実」論を超ゆるなり。飛翔、復活の事なり。一般に、キリスト教界にて知られざる事柄なれど、右の『ヨハネ』１７・５における主イエスの祈りが所謂「主の祈り」の原典・原点なり。主の祈りは、「主が教へ給ひたる祈り」にはあらで、「主の祈り給ふ祈り」なり。十字架上の「エロイ、エロイ、レマ、サバクタニ（我が神、我が神、何ぞ我を捨て給ひし？）」（『マルコ』15・34）との祈りは、『ヨハネ』17・5にてリハーサルされし祈りの本番実演、「辞世の祈り」なり。これに応へたるもの、父による主イエスの「復活」なり（『へブル』5・7、参照）。キリスト教は、御友の欣求に始まり飛翔に至る、復活の福音なり。而して「共」/「友」（「共」に始まり[/]の原受肉を基点として「友」による招きと飛翔に至る）「インマヌエルの比例中項」を旨とした御友道の全射程の福音なり。知られざるべからず）
　十一　妻や笑む命際にも絶後にも生死一体御友いませば
　十二　かくあれば原爆投下一瞬に逝きし人方笑むと我知る
　十三　我妻の切れ目なき笑み見たる我万人絶後幸の見ゆるよ
　十四　如何にせよ甦りのや喜びの消ゆる事なきこの命げに
　十五　此度の書打てど叩けど揺ぎ無き「平安ありて平和なる」告ぐ