延原時行歌集「命輝く」(第2751回)(特別企画「賀川ハル展」)

              
  延原時行歌集「命輝く」(第2751回)
  「復活の家出発進行―感謝無限の旅一歩一歩」
今朝も先生のメルマガ「風の便り」で届いた「今日の歌」を収めます。

    5月6日

        「哲学の喜び」完成の歌二十二首

 一 いよいよに我が哲学の誉なる『哲学喜び』脱稿完成

 二 隅からや隅まで推敲完読す「前提」「深化」「展開」「帰結」
   (備考:四部構成、十五講義とエピローグ、より成る)

 三 「チェンジのや時代に根底省察す滝沢語録読む」や嬉しや
   (備考:これ副題なり)

 四 おもむろにキイワーズなる存在と本質の結合よりぞ我始む

 五 それをしも一本のぞやチョークにて例証しつつ語るや楽し

 六 個物にや性格合し物といふもの在るやとぞ君知るごとし

 七 サルトルやそも実存の本質に先行なすを人に観る

 八 しかもぞや人間はじめ無なりとや誠根基や仲介や無し
   (備考:「仲介なし」とはサルトルの語なるも、ホワイトヘッドは「事(じ)は形相に依らず、創造作用の直接のcreature[被造物]なりと言ふ。[PR, 20])

 九 恩師のや語録辿りてサルトルデカルト省察楽しや楽し

 十 見事なり「人間自由あるべきと宣告さるる」存在証明
   (備考:サルトル哲学の本務は、「人間は自由であるべきと宣告されたり」により人間の存在論的証明をなしたるにあり、とは尊き事なり。これ、神は「何物もそれより勝るとは考えられ得ざるあるもの=無が(それより)勝ると考えられ得るあるもの:aliquid quo nihil maius cogitari possit.」と言ふ「神の名」を基軸にして神の存在論的証明を本務となせるアンセルムスと真逆の証明に命賭けたる人なり。彼の哲学は実存主義なりと知る者や多しが、その裏にデカルトを介してアンセルムス在りと知る人(恩師滝沢克己を含めて)多く非ず)

 十一 サルトルが人に就きてや実存の先行語る(神真逆)とや

 十二 その辺り恩師見逃す惜しきやも原点哲学神証明見ず

 十三 サルトルや「無と他者」論ず辺りやはケノーシスのぞ始め穿つも
   (備考:『存在と無』に於いてなり。これ『ピリピ』2・6に対応すと我見るなり)

 十四 我やしもデカルトのそも神証明奥底にぞやアンセルム読む

 十五 遂に我「神我ら共います」のぞ存在証明果たしけるかも
   (備考:これ、世界初めての試みなり。存在論的証明に三つあり:①神証明(アンセルムス成せり);②人間証明(サルトル成せり);③「我らと共にいます神」証明(我延原時行成せり)の三つなり。それぞれを混同せぬ事重要なり。然るが故に、サルトル「少なくとも人間におきては実存本質に先行す」と言ふなり。これ(言外に)「神に於いてや真逆なり」と言はむとす)

 十六 我やしも「原事実」をぞ改変す:《原事実「新現在」を産む》

 十七 Cogitoや「在りて考えざるを得ぬ」我思ふ謎遡及ergo sum.

 十八 原事実「新現在」を産む喜悦我思ふ時我と共なり
   (備考:それをしも、我「哲学の喜び」と言ふなり)

 十九 哲学の喜びやしも文明の中核成すや核欲や退く

 二十 「平安やありてこそなり平和なる」哲学喜び平安なるぞ

 二十一 「平安」本内から促進「喜び」本かくて「平和」のなる秋(とき)ぞかし

 二十二 哲学の喜び修練すすまばや核欲なぞやこれ何やそも





2017年5月2日付けの「徳島新聞」の記事より

賀川豊彦の妻ハルを顕彰 没後35年記念に特別展
 
徳島で幼少年期を過ごした社会活動家、賀川豊彦(1888〜1960年)の妻ハルの没後35年を記念した特別展「賀川ハル展」が5日から、神戸市中央区の賀川記念館で開かれる。初日はハルの命日に当たり、賀川夫妻の孫を招いた対談や研究発表などがある。31日まで。
 直筆原稿や写真など貴重な資料約100点を展示。若き日に神戸市で救貧活動を始めて以降、“同志”として賀川を支え続けたハルの生涯を顕彰する。
 戦前、中国でキリスト教の布教活動中の賀川に宛てて近況を報告する手紙、金銭に無頓着だった賀川に代わって活動資金をやりくりした際の家計簿、「賀川春子」の筆名で出版した小説「太陽地に落ちず」なども並ぶ。
 初日午前10時からは同館の語り部らがハルの生涯、業績を振り返る研究発表を行う。午後1時からは、ハルの孫で7年間一緒に暮らした冨澤康子さん=東京女子医科大助教=と、賀川豊彦を研究する岩田三枝子・東京基督教大准教授が「賀川ハルさんってどんな人?」のテーマで対談。3人の子どもを育てながら、社会活動家としても活躍したハルの姿を浮き彫りにする。
 賀川記念館の西義人参事(74)は「ハルがいなければ、賀川の活躍はなかったといっても過言ではない。ハルのすごさや人となりを感じてもらいたい」と話す。賀川豊彦や夫妻に関心のある徳島県民にとっても、興味深い展覧会となりそうだ。
 賀川記念館は、賀川豊彦が1909年から23年まで救貧活動に取り組んだ神戸・生田川近くに建つミュージアム。現在の建物は賀川の救貧活動開始100周年を記念し、2009年に整備された。
 入館料300円(中高大学生100円)で初日の催しは先着100人が無料。問い合わせは同館<電078(221)3627>。
【写真略】

昨日は午前10時から午後3時過ぎまで、上記の特別展に出掛けてきました。記念館の「語り部」の皆さんの合同研究の発表も充実したものでしたが、岩田三枝子・冨沢康子両氏の講演と対話も興味津々。東京から賀川一枝さんも参加され、『賀川ハルものがたり』の著者・鍋谷由美子さんもお顔を見せておられました。

語り部の皆さんの研究成果も完成していました。