延原時行歌集「命輝く」(第2606回)(「平田勝先生追悼演奏会(神戸文化ホール大ホール))

              
  延原時行歌集「命輝く」(第2606回)
  「復活の家出発進行―感謝無限の旅一歩一歩」
今朝も先生のメルマガ「風の便り」で届いた「今日の歌」を収めます。先生の日ごと夜ごとの「新しい発見の喜び」が詠われ続けます。

    12月12日

           書物そもの歌二十五首

 一 書物そもそれぞれが皆使命帯ぶ問と答の二冊本げに
 二 良寛の「風の歌」本御友とや対話趣脱核や秘す
   (備考:『良寛「風の歌」にちなんで――御友神学の省察』新潟・考古堂書店、2016年3月刊)
 三 この書のや仕掛けぞここに巡らさる「核投下」とぞ「その懺悔」そも
 四 一言で言ふならばこれ米国ぞその正体や二律背反
   (備考:米国元々二律背反の国なり:民主党共和党、の如し)
 五 米国の二律背反衝くものや仏教的の基教哲学
   (備考:拙著『ホワイトヘッドと西田哲学の<あいだ>――仏教的キイリスト教哲学の構想』京都・法蔵館、2001年、参照)
 六 妙にもや仏基哲学面白し二律背反繋ぎ癒すや
    (備考:これ新著『平安ありて平和なる――ホワイトヘッドの平和論、西田哲学、わが短歌神学日記』新潟・考古堂書店、2016年出版予定、における「補遺」の仕事なり)
 七 核投下核懺悔との間にや御友神学命法示す
 八 命法や核にや非ず核懺悔諭す理(ことわり)御友神学
 九 オバマ氏や平和スピーチ抱擁に日米友情刻みしや佳し
 十 その哲理「平安ありて平和なる」新著に思索深めしや我
 十一 ここにぞやホワイトヘッドと西田のや哲学伝統和する麗し
 十二 実体の論理脱しぬ創作用形而上学脈々たるや
 十三 創作用そも究極事性(さが)成すや無自性なるに大悲事(じ)に寄す
   (備考:復唱。この一首我が形而上学の纏めなり。米国流の二律背反を超えて癒すものなり。今の新しきポピュリズム思潮とはこれから200年の戦いになると、世のエコロジストや備へたると聴くにつけ、我が創作用形而上学揺るがざるなり。今生の戦い超ゆる観点なればなり。二段階の論理なり:(1)創作用そも究極事性(さが)成すや;(2)無自性なるに大悲(御友)事(じ)に寄す。前者は形而上学的究極者の真理示すなり、仏教では法性法身なり。後者は宗教的究極者の真理示すなり、仏教では方便法身の領域なり、我言う「御友神学」これなり。(3)前者、形而上学的究極者「究極者なる創作用:Creativity as the ultimate」に至誠なる御方父なりとの告知なす御方御友なり。これ我が「至誠心の神学」を御友神学にて結合刷新せるものなり。この認識本日の大発見なり)
 十四 この論点ホ氏の一節なぞりてや大和の歌に受肉せるかな:
   “In this Supreme Adventure, the Reality which the Adventure transmutes into its Unity of Appearance, requires the real occasions of the advancing world each claiming its due share of attention.”[AI, 295]
 十五 恩師カブ「C (Creativity)の神秘」ぞ解きてぞやa more positive tone [妙なる響き]瞠目麗し:
   “Whitehead agrees with Buddhism in this emphasis on event and the negation of substantial reality. But the identification of the ultimate as creativity gives a more positive tone to the understanding of each instance thereof, despite its total lack of substantiality.”(written on October 13, 2016)
 十六 何にせよ面白きはぞ二著にてや問と答の嚙み合はせ成る
 十七 日ノ本の短歌神学働きて東西両洋つなぎし快哉
 十八 かくあれば旧著だけにて終らずや新著の「補遺」や時代究明
 十九 旧著はや仏基対話を呼びかけぬそれなき故にト氏投核す
 二十 新著はやオバマ氏感話その根源平安沈思平和に至る
 二十一 かくて我仏基対話の関心を平安根差し平和向けむや
 二十二 旧と新二著にわたりて我問はむ時代の知性課題承くるや
   (備考:課題「宗教間対話より平安/平和哲学構築まで」なり)
 二十三 この作業ホ氏と西田の考察を短歌神学日録楽し
 二十四 その間にホ氏の英文ちりばめぬ読みては詠ひ詠ひては読み
   (備考:請ふ英文も読まれよ。時代の本流に臨まむがためにや)
 二十五 呻吟の時に一年沈潜す遂に聖夜に至りにけりや
      




上のポスターは、昨日午後、神戸文化ホール大ホールで開催された「平田勝先生追悼演奏会」のものです。

平田先生のことは、お名前も存じ上げなかったお方ですが、先日神戸丸山教会をお訪ねしたおりに、今回の演奏会に出演される御方から、特別のチケットをいただきました。

少し早めに会場につき、文化ホールの周辺をぶらり散歩を致しました。文化ホールは、湊川神社と神戸中央体育館の北側にあります。

会場の大ホールは満杯でしたが、前から10列目当たりの中央の席があいていて、そこでゆったりと・・・

ひろいステージの中央奥に「平田勝先生」の元気な笑顔が飾られていました。

開演の前に、しばらくホールの中をぶらり・・・・先生を回想するたくさんの写真パネルも準備されていて、和やかな語らいが弾んでいました。

この日のプログラムは、「ぶるらんて伊丹&夙川エンジェルコール」「コール・アマービレ」「兵庫県立神戸高等学校合唱部」「すずらんコーラス」「武庫川女子大学コーラス部」「混声合唱団まもーるKOBE」の単独演奏と合同演奏「G.Faure作曲:Requiem op.48」

座席のお隣に、昭和28年に神戸製鋼のコーラス部で平田先生の指導を仰いだといわれれるご高齢の素敵な女性がおられて、お声をかけて下さり、当時の記念の写真を取り出して見せて頂いたり、御子息も「混声合唱団はもーるKOBE」に属して、このステージにもご出演のことなど、嬉しいお話をいろいろとお聞かせいただきました。

前半の6団体の「単独演奏」もそれぞれに会衆を会場を魅了しましたが、何と言っても後半の「合同演奏」――平田勝先生の教えを受けた指揮者・ピアニスト、ソリスト2名と280名のフォーレの名曲「レクイエム」(第一曲「入祭唱とキリエ」で始まり終曲第七曲「天国にて」で終わる世界平和を願った傑作の大合唱−−には特別の、深い感銘を受けました。

昨年2015年11月17日、94歳の生涯を終えられた「平田勝先生」への深い思いが見事に紡ぎだされた立派な「追悼演奏会」でした。

神戸丸山教会の皆さんも多くお顔を見せておられました。有難うございました。

自宅に戻ったときは、すでに日も暮れていました。終りに、お月さんを・・・