延原時行歌集「命輝く」（第2536回）（ぶらりお出かけ―神戸開港150年プレイベント「松方コレクション展ー松方幸次郎夢の軌跡」神戸市立博物館）

　　　　　　　　　　　　　　
　　延原時行歌集「命輝く」（第2536回）
　　「復活の家出発進行―感謝無限の旅一歩一歩」
今朝も先生のメルマガ「風の便り」で届いた「今日の歌」を収めます。

　　　　10月1日

　　　　　　　　　　究極的実在即妙用の歌十首

　一　究極に在るもの何ぞ実在かそれとも作用活動か
　　　（備考：これ我が年来の哲学的神学的問なり：See Tokiyuki Nobuhara, "Reflections on the Three Ultimates and the Mystery of Creativity: in Dialogue with John B. Cobb, Jr. and Bob Mesle, “ Bulletin of Keiwa College, No. 19, February 2010, 1-18.;拙稿「三究極者と『Creativityの謎』を巡って――カブ、メッスリー両教授との対話」（『プロセス思想』第十四号、2010年、95−109頁）:拙著『宇宙時代の良寛・再説――ホワイトヘッド風神学と共に』新潟・考古堂書店、2014年、179−222頁、参照）
　二　恩師はや究極事をば名付けてや「原決定の原生起」述ぶ
　　　（備考：決定（インマヌエルの原事実）が何故生起なのか――これ「実在」と「作用」の関係の設問なり。恩師のインマヌエルの原事実の哲学追究の最晩年に出現せし設問なり。尊し。滝沢克己『あなたはどこにいるのか――実人生の基盤と宗教』（東京・三一書房、1983年）、102頁、参照）
　三　一切を己が性（さが）なす創作用究極事のや性なりとホ氏
　　　（備考：これ我ホワイトヘッド哲学の根本問題なりと感ずや。ホ氏”Creativity is without a character of its own.”（創造作用はそれ自体の性格付けを欠如なす）”It cannot be characterized, because all characters are more special than itself. But creativity is always found under conditions (such as God and creatures), and described as conditioned.”［PR, 31］と言ふも、『過程と実在』原書21頁に於いてのみ、”Creativity is the universal of universals characterizing ultimate matter of fact”(創造作用は究極事態を性格付ける普遍の普遍なり)[PR, 21]と述べて、性格づけを欠如したる「創造作用」そのものが「究極事態」に対してのみ自らが性格づけを演ずるとなせり。この矛盾は何故ぞ？）
　四　ホ氏さらに実在冒険ありてこそ「ともあらはれ」に変転と言ふ
　　　（備考:”In　this　Supreme　Adventure,　the　Reality　which　the　Adventure　transmutes　into　its　Unity　of　Appearance, requires the real occasions of the advancing world each claiming its due share of attention.” [AI=Adventures of Ideas=, 295]
　五　この場合世界内的機縁をぞ実在求む大切なると
　六　三と四を併せて見れば創作用冒険ありて実在「性」（さが）ぞ
　七　冒険や御友究極実在に創作用のぞ発動欣求
　　　（備考:ここに於いて重要なるは、『ヨハネ』ヨハネ17・5に於けるイエスの祈りなり：「父よ、世が造られる前に、わたしがみそばで持っていた栄光で、今み前にわたしを輝かせてください」）
　八　七はぞやイエス哲学そのものぞこれ主の祈り原型なるや
　　　（備考：「栄光」＝実在。「父輝かせ給ふ」＝創作用。「主の祈り」＝「一としての宇宙における冒険」《an Adventure in the Universe as One》[AI, 295]）
　九　我の言ふ御友神学誠これ実在妙用宇宙真実
　十　宇宙のや真実一路遂にはぞ此処に窮むや実在妙用